FPICという存在から、あらためて考えたこと
―― 家庭問題は「解決」よりも、整理して話せる状態に戻すことから始まる ――
家庭の問題は、
多くの場合「何が問題なのか」が分からなくなったところから始まります。
感情が先に立ち、
出来事が積み重なり、
当事者自身も、何をどう説明すればいいのか分からない。
私たちは、そんな状態を数多く見てきました。
私は以前、家庭裁判所の調査官として、
家族の葛藤や分断の現場に立ち会ってきました。
その経験から、**家庭問題情報センター(FPIC)**の存在は
以前から知っていましたし、現在も正会員として籍を置いています。
「支援を受ける側」としてではなく、
一人の経営者として、改めてFPICと向き合ったとき、
ある確信が生まれました。
それは、
家庭問題は、いきなり解決を目指すものではない
ということです。
家庭の問題は、
法律・心理・福祉といった専門分野に細かく分かれています。
専門家はたくさんいます。
制度もあります。
情報もあふれています。
それでも、問題がこじれるのはなぜか。
それは、
当事者が「今、自分に何が起きているのか」を
整理して話せる状態になっていないまま、
次のステップに進んでしまうからです。
FPICの役割は、
誰かの代わりに答えを出すことではありません。
ましてや、
白黒をつけたり、
どちらが正しいかを裁く場所でもありません。
FPICが大切にしているのは、
人生で起きていることを、
もう一度「整理して話せる状態」に戻すことです。
言葉にできる。
順序立てて説明できる。
自分自身が「理解できている」と感じられる。
その地点に立って、
はじめて「次にどうするか」を考えることができます。
これは、家庭問題に限った話ではありません。
私たちが取り組んできた
遺品整理、子育て支援、修整の仕事、
そして経営そのものも、同じ構造を持っています。
問題が起きたとき、
すぐに答えを出そうとしない。
まずは、
起きている事実と感情を、
落ち着いて整理し、言葉に戻す。
このプロセスを飛ばすと、
どんなに正しい解決策でも、
人は納得できません。
FPICは、
「家庭問題を解決する組織」ではありません。
家庭問題を、
次の一歩に進める形に整える場所です。
その価値は、
派手ではありません。
目立ちません。
けれど、
この工程がなければ、
どんな支援も、どんな制度も、
本当の意味では機能しない。
私はそう確信しています。
※本ブログは、当社の経営思想を記録する場です。
暮らしに寄り添う実践記事は、
Yoriito代表ブログで発信しています。
